本日は悲しいお知らせです。
桂由美先生(94歳)が4月26日、ご逝去されました。
今後を引き継いでいかれるユミカツラチームが、花嫁様を第一に考えられる桂由美先生のお気持ちを第一に、花嫁さんたちの週末の幸せなお式が終わるまでと、公表を控えられ本日の発表をされました。
なんとも行き届いた配慮で感動です。
最後まで凛として前向きに何事にも全力で取り組まれる気丈な方でした。
何よりもご自分の夢を語られる時、「一番輝く幸せな花嫁さんにしてあげたい。」とキラキラと輝く少女のようなお顔はいつも心にあります。そのお気持ちでの今日の発表だったのだと。
そんな桂由美先生との思い出は私にとっても全て宝物です。
多くの時間をご一緒させていただき、多くの学びをいただきました。
2019年の最後のパリコレまで、合計14年間同行させていただいたオートクチュールコレクションでのショー。中でも2011年からはショーのお花の担当依頼を桂先生ご自身からお電話をくださり、担当させていただくことになりました。そしてアジアブライダルサミットの各国でのショー。
桂先生の積み上げられて来た長い歴史と努力のおかげで華やかな場所に加わらせていただいていると感謝していました。多くのフラワーアーティストの方たちがご参加いただきご尽力いただきました。
そんな桂先生のショーに携わることもせめて10年経たないと人前で話したり出来ないとずっと思っていて、節目の10年目にホームページに掲載させていただく際にご了承もいただきました。
「もっと早く載せれば良かったのに、貴方って欲がないわね。」と微笑まれた先生のお優しいお顔も忘れられません。
そして、「恋をするように仕事をしなさい。」という名言。
モノ作りの一人としての熱い想いもたくさん語ってくださいました。
「汗をかくらから」
「人とお話しする時に失礼に当たるから」と予定のある時はお水を飲むのを控えられていたプロ意識もさることながら、色々なシーンを近くで拝見させていただき、心から素晴らしい方だと思い続けてきました。
東京大空襲を経験したからと、全国で震災が起きるたびに(熊本地震の時も)花嫁さんに寄り添い夢を叶えてあげられた先生。
翌年の洪水の時もランドセルや靴を被災地に届けてくださり「何か他に協力して欲しいことはない?」とお心遣いの行き届くお優しい先生でした。
お電話で色々なことをお話しさせていただいたこと、パリの街をプライベートでご一緒に歩かせていただいた日のことなど、今はぐるぐると思い出が一気に蘇っています。ひとつひとつが宝物です。
1964年日本初のブライダルファッションデザイナーとして活動を開始され、1965年日本初のブライダル専門店をオープン、日本初のブライダルショーを開催されました。
すべて「日本初」となるスタートをされ、多くの海外でのショーを開催されて世界へ日本の素晴らしさを発信続けて来られました。
日本のブライダルの歴史を牽引して来られた尊敬する偉大な先生でした。
今後は、桂由美先生の右腕としてクリエイションをされて来られた藤原綾子氏・森永幸徳氏・飯野恵子氏がユミカツラのクリエイティブチームとして、桂由美先生の想いと遺産が生き続けるよう、後任としてコレクションの制作を託され、新生「Yumi Katsura」を継承していかれるそうです。
素晴らしい方々ですので、さらに桂先生の壮大な夢を進化させていかれることと思います。
桂由美先生のご冥福を心よりお祈りいたします。
本当にありがとうございました。
心から感謝を込めて。
有吉ひとみ